@Bmaru2さんのツイート

真説 サインポール

 

 

 

 

 

         「すいませーーん!こんにちわーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             (・・・・いらっさいませ。)

                                       

 

 

 

 

 

 

 

 

          「あれ?? どこですかぁー?」

                               

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            (・・・ここだよ。僕はここだよ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          「えっ???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           「って・・・スイマセン、トイレです。お腹痛くて」                 
                      
            
          「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

          「・・・予約の合間に、あの・・済ませておこうと思いまして、
          一人で営業してるので・・・その・・ホントすいません」                 
                      
            
   「そうですか・・・。 えと・・髪を整えてほしいのですが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        「あぁ、申し訳ございません。トイレの中からお話しするのも
        大変失礼なのですが、既に10分後に次のお客様の予約が何件か
        入っておりまして、次のご予約をお取りできるのが3時間後になってしまいます」
                      
            
         「・・・・ハァ」

  

 

 

 

 

 

 

 

           
          「それに当店はメンズオンリーサロンなので、真に勝手ながら
          女性のお客様はお断りしておりますので、ご了承くださ・・・・」
                      
            

 

     「・・・・・」
      
 ガチャ!! (店のドア開ける音)       

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  「あれ?お客様?」
                      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                「おきゃくさまぁぁーーー!!」
                      

当店は1on1メンズオンリーサロンです。

いろんな意味でご不便をおかけしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              「・・・って事があったんですよ。早乙女さん。」
                      

            
         「なに普通にトイレから話しかけてんの?
         ってか、さっさと出てきて髪切ってくんない。」

 

 

 

 

 

 

 

    「まぁ、折角なので床屋の店先で回ってるサインポールの
    話でもしましょうか。話も長いですがトイレも長いですよー。うははー♪」
                      

            
         「どっちも早めにしてくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

                     「・・・・・」
                   
         「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まーとりあえずコレ見てください。

 

 

「うおおお!何コレー!素敵じゃないの!!」

 

 

「昔、ヨーロッパやアメリカで使われてた木製のサインポールです。
お店の看板であるサインポールって、もっと個性的でお洒落であるべきだと思うのですが、
国産大手の市販品は、機能性や耐久力は世界基準でもデザインは正直、アポンです。
要するに全然お洒落でカッコよくない。下手に目立つモノだけにデザインのダサさが際立つ
だから当店では、特注で頼んだ木製サインポールの復刻版を使っているのです。
これはマジ自慢だけど、横浜というか関東では当店だけのオリジナルなんですよ!」
                           注*当店調査

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほらっ見てよ、ほら! 当店マニアの早乙女さんは飽きるほど見て知ってるでしょうが
B級インディーズサロンクオリティを、もう一度じっくりと眺めるといいです! 
うははーー♪

   

  

 

 

 

 

 

 

「あ、ごめん。5年近く通ってて、

今初めて、木製サインポールって気付いた。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      「・・・・・」
                     
         「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       ガチャッ!
                   
          「!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

               「・・・・・」
             
        「きゃーー、手ぐらい洗ってぇーー!!」
        *注 ネタです。当店は横浜市衛生消毒講習受講店です。

 

 

 

 

 

 

 

         チョキ、チョキ、チョキ、チョキーーーー!!!

      

       どうせなら、春っぽいスタイルにしてぇーーーー!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

                   

                 「春っぽいショートスタイルにしてみました」
                   
  「普通すぎて突っ込めない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってかさ、俺みたいなヤングな消費者の立場から言わせてもらうと、
街角でクルクル回ってるサインポールから連想するお店って、
『白衣を着たオッサンがいる昭和を色濃く残すダサい店』
ぐらいしか思い浮かばないのよ。 ホント、私的見解で悪いんだけど」

 

 

「まーそれが世間一般的な床屋のイメージだと思います。だから近年、
他店との差別化や理容店のユニセックス化による女性客の取り込みの為、
サインポールをはずす若いオーナーが増えているのですが、ぶっちゃけ
美容室に対するコンプレックス的な意味合いも強いと思いますね」

 

 

 

「ほほう、なるほどなるほど」

 

 


「通常ならこの場合、『サインポール=ダサい店』というマイナスイメージを
払拭するようなデザイン性のあるサインポールの導入が必要な訳ですが、ご存知の通り
メーカー側から我々に用意されてるのは、デザイン性の低い汎用量産型サインポール
これを武器に『美容室相手に戦え!』ってのは所詮、ビジュアル的に無理な話なのです。
僕みたいに攻撃に特化したファンネル機構を備えるニュータイプ専用の『ν(ニュー)サインポール』
アナハイム社(仮名)に頼んで開発、設計、設置するお店のオーナーなんて稀なんですよ!
わかりましたか?当店に5年近く通ってるヤングな消費者代表の早乙女さん!」

 

 

 

 

 

 

       ヤングな消費者代表
             ↓        
                    
         

 

 

 

 

 


「よーし、それじゃヤングな消費者代表の早乙女さんの為に、
僕の秘蔵ディスクに収めた、海外の素敵なサインポールを紹介しちゃうぞ。」

 

 

 

 

       

     

 

 

「うわー、なんか物凄い存在感あるなー。サインポールってこれだけ世間一般的に
認知されたランドマーク的な存在なのに、市販品でろくなデザインが無いって
ホントもったいないよな。モノとデザインによっては十分に個性をアピールできるのに・・」

 

「そうでしょー。例えば下のお店↓のサインポールなんか、
マジでランドマーク的な存在として、その町に住む人のみならず、
遠く異国から来る人にとっても非常に貢献度が高いのですよー」

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

「いや、灯台だろコレ」

 

 

 

 

 

 

 

「これなんかもっとすごいですよ!店自体がサインポール!」

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

「いや、だからコレも灯台じゃん。しかも海に浮かんでるし。
客はアレか?海賊か何かか?ワンピースの読みすぎなんじゃない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

                     「・・・・・」
                   
         「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「まー日本的に言ったら、サインポールは『』って
イメージだから、上の写真のようなお店は絶対に ありえないデザインですもんねー。
だけど元々サインポールの発祥自体がヨーロッパですし、
それに海外と狭い日本とでは、文化も住宅事情も違いますからねー」

 

「いや、文化も住宅事情も関係ないし。
ってか、どう考えてもそういう柄をした灯台だと思う」

 

「そのような固定観念がダサいサインポールを生むんですよ!!
いいですか?僕から言わせて貰えばサインポールのあの円筒の形ですら
必要ないと思ってるんです。例えばこのサインポール見てください↓」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        

 

 

 

「ガンダムだね」

 

 

 

 

 

 

「いや、モビルスーツ型の連邦のサインポールです。
ある程度、サインポールの条件さえ満たしていれば
コレだって立派なサインポールなのです!
連邦のサインポールはバケモノかーーー!ですよ!!!」

 

 

「いや、ガンダムじゃん。これ連邦のガンダムじゃん。 
ってか、コレをサインポールと呼ぶ条件って何だよ、条件って。」

 

 

 

「はははーやだなーもう!色ですよ色!『』。
これはかなり有名な話ですが、その昔、外科医が床屋も兼ねてた時の名残が
現代のサインポールの元
となったのですね。 白は包帯、赤は人間の血の色、
青はエヴァンゲリオンに出てくる使徒の血の色

 

 

「昔の外科医ってエヴァの使徒も治療したのかよ。
ってか、仮にガンダムの『』の部分がサインポールのスペックを
兼ね備えてるとして、この黄色い部分は何?」

 

 

              「え?」

 

 

 

 

 

 

 

「この黄色い部分はどう説明する?」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         「!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     「・・・・・」
                   
         「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       
                   
          

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       バタンッ!
                     
          「ちょっと待て」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  「・・急にお腹が」
                      

            
   「なんだよ、おい!黄色い部分って何なんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     「・・・・・・」
                      

            
         「おい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     

           黄色い部分が気になる方は当店へご来店の上、
           「黄色い部分って何?」と担当者にお尋ねください。
           皆様のご予約を心よりお待ちしております。

           注*当店ではガンダム型のサインポールは採用しておりません

 

 

 

 

            おしまい

(このドラマは一部フィクションであり、登場人物、団体名等は
全て架空の妄想の電波的なインターネット上のアレです。 )

 

 

 

 

 

 


      *次回予告*

集客の鍵を握る黄色い部分。今、運命のサインポールは音を立て激しく回り始めた。
『黄色い部分』の謎に迫る時、ついでに髪を切る時に、更なる謎が姿を見せる。
そしてそのすべての謎を解き明かすため、僕らはまたBコレクターへと足を運ぶ・・・

 

   次回「Bコレクター誕生秘話」

 

それは複雑に絡み合う過去への回帰。 今宵も僕のハサミはロックを刻む。

 

 

 

 

 

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